イギリス·リバプール生まれのニック·ウッドは、19歳でロンドンに移住し、伝説的なレコーディングスタジオ「マーカス·スタジオ」で音楽プロダクションに携わる。この経験がキャリアの原点となり、同じ年、ニューウェーブバンド「Appassionata」のメンバーとしてヴァージン·レコードと契約を結び、音楽界への道を歩み始める。
1987年の訪日をきっかけに日本への関心を深めた彼は、数年後に東京への移住を決意。1991年には、サイモン·ル·ボン、ヤスミン·ル·ボンと共に音楽エージェンシー「Syn」を設立し、それ以来、東京を拠点に精力的な活動を続けている。
これまでに2,000を超えるコマーシャル音楽を手掛け、映画音楽では「13階段」(山崎努主演、長澤雅彦監督の受賞作スリラー)、アニメ「遠い海から来たCOO」(景山民夫原作)、映画「RAILWAYS 2」(三浦友和主演)などの話題作を担当。また、少子化をテーマにしたドキュメンタリー「Birthgap」(スティーブン·ショウ監督)、ラグビー日本代表の快進撃を描いた「ブライトン·ミラクル」(マックス·マニックス監督)など幅広いジャンルでその才能を発揮している。
彼の楽曲はさまざまなネットワークやストリーミング番組でも取り上げられており、HBO「TOKYO VICE」、Apple TV+「パチンコ(PACHINKO)」、Netflix「わが拳に復讐を」、BBC「People Just Do Nothing」等でも耳にすることができる。さらに、クリエイティブ·パートナーであるサイモン·ル·ボンとのコラボレーションでは、『Closer To Your Bed』(カンヌライオンズ2017で演奏)や、2025年リリース予定の共同作曲コレクションなど、注目のプロジェクトも展開している。
コマーシャル作品は多岐にわたり、CNN、ディズニー、Apple、アマゾン、メルセデス·ベンツ、資生堂など名だたる企業とのコラボレーションを手掛けてきた。
また2020年にはフィアット500eのエンジン音制作にも携わるなど、その活動領域は広がり続けている。
その他にも、ロンドンのクラリッジズ·スパの90分サウンドトラックや、モナシュ小児病院のディズニー「イマジネーション·ツリー」など、ホスピタリティからヘルスケアに至るまでの体験型プロジェクトにも取り組んでおり、音楽を通じて人々の感情に触れる作品を数多く生み出している。
特に注目すべきは、CNNのグローバルキャンペーンテーマ「Why We Go」において、2017年にエミー賞の最優秀プロモーションアナウンスメント賞を受賞したことである。この作品では、プロマックスBDA(エンターテイメントのマーケティングとデザインにおける世界最高峰の賞)のベスト音楽&サウンドデザイン賞や、CNNクリエイティブマーケティングとの共同作品でのクリオ賞など、数々の栄誉を獲得している。
近年では、2018年のアジア太平洋広告祭ADFESTや、2017年のカンヌライオンズ国際クリエイティビティ·フェスティバルにスピーカーとしても招待され登壇するなど、広範なクリエイティブ分野でその存在感を示している。
2024年には、映画への深い愛情と、アンビエント音楽やウェルネスへの関心を融合させ、長編作品『十和田湖シリーズ』を作曲。北日本の季節の移ろいを描いたこの5部構成のアンビエント音楽は Dolby Atmos でミックスされ、全世界でリリースされている。